作品
月夜のファウスト -独り芝居バージョン-
串田和美(日本)
2019年に長野県内を巡演した「月夜のファウスト」は、コロナ禍で多くの劇場が休館に追い込まれる中で、公園の小さな四阿を舞台に見立て、2020年6月に「月夜のファウスト」 -独り芝居バージョン- として新たに誕生した。
数多の民衆本や人形劇、ゲーテの小説や手塚治虫の漫画にもなった中世に実在した錬金術師の『ファウスト』と、串田の幼少期の記憶とがない混ぜとなった物語を、独りで何役も演じていく。困難な状況から必然的に生まれた独り芝居を、木崎湖畔の丘の上に建つ木崎夏期大学の野外ステージを舞台に上演する。湖畔の月夜、幻想的な劇場がたちあがる。木崎湖を望む小高い丘で月夜に、悪魔に魂を売った男が語る。
「人間と悪魔を分かつものは何だ?」時にファウスト博士に、悪魔メフィストに姿を変えながら。
串田和美(日本)
1942年東京生まれ / 在住。俳優、演出家。1966年劇団自由劇場(のちにオンシアター自由劇場と改名)を結成。1985~96年シアターコクーン初代芸術監督。2003年まつもと市民芸術館芸術監督に就任。歌舞伎、サーカス、現代劇を、劇空間ごと既成概念にとらわれない手法でつくりあげている。