作品
北アルプス 高瀬川庭園
高橋治希(日本)
大正時代までは生活水として使われていた、床下を流れる水路の水音が心地よく響く古民家全体を、詩画芸術を応用した中国の作庭の手法を参考に再構築した作品。気が形となって現れる「気象」の考えをもとに、作家が理想と考える「胸中の山水」を重ね合わせながら、信濃大町を南北に貫通する「高瀬川」を、九谷焼で上流から下流に自生する植物31種類をモチーフに表現した。鑑賞者は一幅の山水画のなかを旅するうように、川の上流へと導かれながら、「虚実相生」の世界に身をゆだねた。
高橋治希(日本)
1971年生まれ。磁器のもつ「儚さと堅牢さ」に命の在り様を感じて制作している。九谷焼でできた植物の蔓は、会場いっぱいに広がり、生命力とエネルギーを感じさせる。