作品
∴ 0=1
栗山 斉(日本)
北アルプスの自然の循環システムを縮図化し、水という物質の状態変化や保存則について2つの蔵を舞台に展開した。南の蔵ではガラス容器の内部で水が熱せられて蒸発し、冷やされて水に還る循環を表現。北の蔵の1階には、高温に熱せられた鉄版に不規則に水が落ちて音を発生させながら蒸発する装置が設置され、2階に行くとその水が北アルプスの山々をかたどった氷が溶けたものだとわかる。鑑賞者は音や光によって水の循環を体感し、大気中に漂う水の存在を再認識した。
栗山 斉(日本)
1979 年生まれ。「無」と「存在」について探求。近年は「0 =1」という独自の仮説を打ち立て、「無」と「存在」が同等であることを作品によって現象的に実証する試みを行っている。