作品
ACT
マーリア・ヴィルッカラ(フィンランド)
大町温泉郷にある森林劇場。譜面台に蝶の図鑑、ピアノからは音が流れ、天井や壁から落ちる水滴がボウルやバケツにリズムを刻み、窓のなかで魚が泳ぐ。舞台中央の指揮台に立つと霧が降り注ぎ、その向こうに森が輝き、客席に反射した金色の光が目に飛び込む。その瞬間、鑑賞者は自分が演者として行為(act)している状況を知る。観るものから観られるものへ。鑑賞者はこの瞬間、主役となった。
マーリア・ヴィルッカラ(フィンランド)
1954年フィンランド生まれ / 在住。詩的な情緒を併せ持つ作品で知られ、自然と人間の関係性における考え方など、人々の暮らしの中で息づいてきた記憶や伝説を受け入れる作法を制作の基盤としている。