いよいよ芸術祭開幕まで100日をきり、作品の準備が進んでいます。
今回は、ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレットの2人が、視察で大町を訪れた際の様子をお伝えします。
ケイトリンさん(右)とウェインさん(左)は、カナダのカルガリーに住むアーティストユニットです。視察に訪れたのは4月。冬の雪が溶け、桜や新緑があちこちで色づき始めていました。
今回2人は、たくさんのレンズを使った作品を作りたいと考え、事前に構想を練って視察にやってきました。
レンズの先にどんな景色が映るかが作品の重要な要素になるため、カナダから持ってきたテストキットをあちこちにかざしながら、作品を設置する候補地を探します。
遠くの景色と近くの景色の見え方をチェックしながら、湖畔やダムなどの屋外を周り、いくつかの候補地をピックアップしました。
「私たちの新作は、シンプルで詩的、そして五感で味わうものとなるでしょう。
作品の中に入り、レンズのカーテンの向こう側を通り抜け、新しい目で風景を、そしてお互いを見てください。
鳥のさえずり、風の音、周囲の木々の揺れなど、周囲の環境に耳を傾けてください。
私たちは、大町の象徴的な場所の美しさに触れながら、内省のひとときを作り出したいと願っています」
視察の合間には大町の食も味わい、美味しい蕎麦に感動している様子でした。
また、同じ時期に滞在制作をしていた芸術祭参加アーティストの小鷹拓郎さんとも会い、お寿司を食べながら世界各地での作品制作の話で盛り上がりました。
実は大町を訪れたのは初めてではない2人。
「北アルプス国際芸術祭2017」を機に初めて日本を訪れ、多くのボランティアサポーターとともに《ベールの向こうに》を制作しました。
薄いベールで包まれた木崎湖畔の2つの空き家は、それ自体が幽霊のようにも見え、場所や空間、記憶に宿る精神を語りかけるような作品になりました。
「大町の人々は、私たちが取り組んでいる不思議な芸術実験を、いつも親切に迎えてくれます。
大町を訪れるたびに、私たちは新しい秘密を発見し、新しい友人を作り、また訪れる理由を見つけられます。私たちを迎えてくれてどうもありがとう!」
8月に発行する芸術祭公式ガイドブックでは、2人のインタビューを掲載します。
秋から始まる芸術祭のイメージを膨らませながら、ぜひガイドブックもご覧ください。