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[作家視察レポート]3名の海外アーティストが大町を訪れました

秋から始まる北アルプス国際芸術祭に向けて、アーティストたちも動き出しています。
今回は、エカテリーナ・ムロムツェワさん(ロシア/アメリカ)、イアン・ケアさん(イギリス)、ルデル・モーさん(南アフリカ)の3名のアーティストが、一緒に大町を視察した3日間の様子をお伝えします。

1日目、イアンさんとルデルさんが大町市内に到着し、国宝・仁科神明宮へ。
日本古来の神明造の建物をはじめ、鳥居、神楽殿、境内社などの特徴的な建造物を辿りました。
イアンさんは、その中でも「周辺の木々がまっすぐに立っていて、風がなく、静かであること」が特に印象に残ったようです。

2日目、一足先に大町に来ていたエカテリーナさんと合流し、鷹狩山山頂から朝の大町を一望。
続いて向かった霊松寺では、本堂の天井に描かれた龍の下で手を叩くと龍が鳴く「鳴き龍」や、廃物希釈運動に抗った30世住職・安達達淳についてなど、興味深い霊松寺のいわれを副住職さんから解説していただきました。

その後は市街地の旧大町北高校や大町ダム、仙人岩など、大町各地の様々な場所を訪れました。
世界各地から集まった3人は、移動中も普段の創作活動や興味のあることについて話題が尽きない様子でした。

3日目、大町の全体的な印象をもとに、いよいよ各自の作品プランに向けて動き始めます。

ルデルさんは、来日前から気になっていた旧相川トンネルを訪れ、早速アイデアを膨らませていました。
普段はコンクリートで大きな彫刻作品を制作しているルデルさん。
今回は大町の土と竹をコンクリートの代わりに使えないか、早速実験を始めていました。

イアンさんは、信濃木崎夏期大学や爺が岳スキー場、宮の森自然園などを見て回りましたが、初日に見た仁科神明宮近くの森が気にかかり、再訪。
まっすぐに伸びる木々をじっと見つめたり、木の間を何度も歩いたりしながら、思考を巡らせているようでした。

エカテリーナさんは、前回の北アルプス国際芸術祭にも参加したアーティストです。
今回は事前に「大町の民話をテーマに作品を作りたい」と考え、大町に2週間ほど滞在し、リサーチをしながらオリジナルの物語を執筆。
滞在中は「大町民話の里づくりもんぺの会」の丸山令江子さんに、民話の語りをしていただきました。
近年人との対話を通して作品を制作している彼女は、今回も大町でいろいろな人に会ってみたいと目を輝かせていました。

視察を終え、それぞれの住む国へと戻った3人。
どんな作品が出来上がるでしょうか。楽しみにお待ちください。