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| MARINA GASPARINI in 大町 ”3”

MARINA GASPARINI in 大町 ”3”

2016年11月13日

ブログ|マリーナ・ガスパリーニ MARINA GASPARINI

October 23

着物を着たいちご摘みの人、稲荷のお面好きの若い女の子、マスクを手に静かに縫い付けをする男性たち。2週目と最終週の日曜日に行われたワークショップは、豊かで深い変化を私のスタジオにもたらしてくれた。たくさんの、主に若い人が私の作品「the Riso Rosa Blessing」のワークショップに貴重な貢献をもたらしてくれたことがとても嬉しい。

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展示は、来たるべき終着点をめざして着々と進んでいる。内容としてはインスタレーションとワークショップの軌跡、そしてパフォーマンスなどになるだろう。Riso Rosa パフォーマンスは米、時、そして火と水のバランスにフォーカスしている。また「囲炉裏」のテキスタイルドローイングは「語り」と「人生」が織り込まれた世界の象徴として展示される予定だ。そこに一杯のお茶とともに座った人たちは、囲炉裏が自らの人生や旅を語るのに最適な場所だと思っただろうから。

イタリアの哲学者、フランチェスカ・リゴッティは言った。「言葉や文や行は一体なにを語るのだろうか?それらは物質的世界を、そして非物質的世界を語る。物体 – 確固として存在し私たちの目の前に投げ出されるなにかしらのモノ、そして私たちが向き合わなくてはならないモノ – について言葉は語る。」

家のエネルギーの中心としての囲炉裏のイメージを思い起こすとき、その領域としての家が畳の大きさによって決められているという事実が頭に蘇る。西洋文化の目にはとても特殊に思えるこの幾何学。私は、古い時代からずっと芸術制作の「領域」であった紙を使い、その紙のサイズを自分の展示スペースの広さと関連させることにした。

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パフォーマンスでは、私は着物をきて女性を表す稲荷のお面を被る。私が育った文化でも、女性の神はヘスティアといった。彼女は古代ローマでは家庭の暖炉や炉辺の神だった。

 

[1] Francesca Rigotti

Words, objects, threads: a philophical reading of Marina Gasparini’s artwork.

Catalogue of the exhibition “Il denaro è un bene comune” Civic Museum of Art, Modena (Italy), october 2014.

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私はその格好で囲炉裏のテキスタイルドローイングの側に立ち、ピンクのお面をかぶった人々が会場を動きまわるのを見つめている。おたふく自画像のワークショップに参加した数人が、そこで作ったピンクのお面を被って踊るのだ。
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おたふくのお面とピンク色は神聖な時間を意味し、祝いと感謝に捧げられる。

そしてそれは笑いと踊りの場でもあるのだ。

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