先日、11月7日にインド最大の国際芸術祭、コーチ・ムジリスビエンナーレ2016のアートディレクターを務めるスダーシャン・シェッティ氏が来日し、あさひAIRに滞在して、2017年に予定されている「信濃大町 食とアートの廻廊」に向けて、お話をして下さいました。
スダーシャン氏が来て、インドで芸術祭をする意義を尋ねたところ、意外なほど気軽に、「やったほうが面白いでしょ」という様な事を言っていて、少し笑ってしまいました。しかし、シンポジウムではしっかりと、過去から流れてくる土地の記憶、現代まで続いてきたコーチの様々な歴史を語ってくださった後、過去と言うのは、プールの様に沈殿したものではなく、滝の様に自分たちの背後から降り注ぐものであり、そこから未来が見えてくる。芸術もまた、その滝の様に降り注ぐ過去を通して、未来をみつめるものでありたい、と語ってくれました。
コーチ=ムジリス ビエンナーレは 南インド・ケララ地方のコーチと、古代からローマ、ギリシャ、中国、中東など の東方と西方とを結ぶ港町として栄えていた古代都市ムジリスを舞台に 2012 年 より開催されている国際芸術祭です。前回の 2014 年は30か国より95名のアーティ ストが参加し、地域の屋内外に設置されたアート作品を回遊する仕組みをつくっ ・た。インド国内外で活躍するダヤニータ・シン、スタジオ・ムンバイ、アニッシュ カプーアの他、海外からは第 56 回ヴェネツィア・ビエンナーレ・オーストラリ ア館代表フィオナ・ホール、森美術館で個展開催中のディン・Q・レ、日本からはクワクボリョウタなどが参加しました。
グーグルのカルチュラルインスティチュートがまとめている、ビエンナーレの様子が詳しいので、ぜひご覧ください。
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スダ―シャン・シェッティ氏 略歴
インドのマンガロール 生まれ 。 インド西海岸の大都市ムンバイ( ボンベイ) を拠点に、90 年代から彫刻やインスタレーションなど本格的な制作活動を展開。近年では、福岡アジア美術館での個展や、韓国の「光州ビエンナーレ」(2000 年) やイギリスのテート・モダンで開催された展覧会「 センチュリー・シティ 2001 年) に参加 するなど、 インドを代表する作 家のひとりとして国際的に) 注目を集 め、2016 年に開催するコーチ・ムジリス ビエンナーレのアー ティスティックディレクターとして、活躍が期待されている。