信濃大町あさひAIR

| カモシカは現れず [水谷一]

カモシカは現れず [水谷一]

2016年11月19日

ブログ|水谷一 MIZUTANI HAJIME

展覧会が始まって数日が経った。今日は11月14日、月曜日。山は美しいが白い雲が朝から空を低くし、とても寒い。チリィ。表面よりも内側から体は冷えて行く。平日であるこの日のオープンアワーは午後1時から5時30分。現在2時43分。北アルプスの連峰に透明度のやや高い黒い雲がかかっているのが見える。槍ヶ岳では雨が降っているらしい。頭上ではブルーグレーの空が雲の合間から覗いている。鷹狩山の頂に建つ特徴的な赤い壁の古民家。ここで今回、私は作品を展開し、今、その受付ブースに座ってこれを書いている。本日ここまでの集客数は6名。6人目の女性は40分ほど、展示室内で過ごしていたが、展示室に誰もいない時間が断続的に長く続く。誰もいない時間の作品を受付からイメージする。景色を見るために麓から上がって来る人もほとんどいない。それからやっぱり断続的に人が出入りして、5時の数取器は23をカウント。雨が降り出す。バタバタという音が次第に強くなる。フードを被る。