信濃大町あさひAIR

| 大平 由香理

大平 由香理

大平 由香理 Yukari Ohira

1988年 岐阜県生まれ。大分県在住。

日本画の技法を用いて、主に山をモチーフとした絵画作品を制作している。「山は色々なものを生み出す始まりの場所、自分が出会ってきた命の轟きを描いている」と言う彼女が描く世界は、見るものを巻き込むような迫力に満ちている。

 

AIR2015滞在期間: 2016年2月10日(月)~2016年3月23日(月)

あさひAIR滞在作家成果発表展「山・雪・生活」

会期:2016年3月14日(月)~3月23日(水)

「大町図屏風~山紫水明~」

展示場所:大町リノプロ

 

インタビューリンク

作家レビュー

大平由香理は絵をよく見る。僕には彼女が絵を見ているときに、この後どうしようかを考えているというよりも、目の前の状況を観察して、自分の身体にその様子、景色、状態を記憶させている様に見えた。それは例えばテニス選手がコートの範囲に自覚的なように、絵の中で自由に動けるよう、その範囲やポイントを身体に覚えこませている感じだ。太古の昔より脈々と形成されてきた北アルプス山脈を、地球の胎動として描きたいという彼女は、悠久の時を行き来しながら今回の作品「大町図屏風~山紫水明~」を描きだした。地域の方から譲り受けた80年以上前の2枚の古い屏風をキャンバスに、冬から春へ、夜から朝へと移りかわる山の動きが表現されている。幾層にも重ねられた紙や色は、北アルプス山脈の内包する異なる時間軸の積層でもある。これから彼女は大分に戻り、海を描きたいという。彼女は自然への深い思い、その果てしなく広がる可能性からどんな海の絵を描くのか、とても楽しみだ。
あさひAIRコーディネーター佐藤壮生

作家HP http://hirahirahicchi-home.jimdo.com/