仁科三湖エリア
大町市の北の玄関口となる仁科三湖は、古くは塩の道と呼ばれた道筋に位置する3 つの湖からなるエリアで、北から長野県有数の深度と透明度を誇る青木湖、四季折々の景観を湖面に映す中綱湖、そしてアートやスポーツのアクティビティが豊富な木崎湖が並ぶエリアです。
仁科三湖エリア
大町市の北の玄関口となる仁科三湖は、古くは塩の道と呼ばれた道筋に位置する3 つの湖からなるエリアで、北から長野県有数の深度と透明度を誇る青木湖、四季折々の景観を湖面に映す中綱湖、そしてアートやスポーツのアクティビティが豊富な木崎湖が並ぶエリアです。
25 淺井真至[日本]
Google Mapおもいでドライブイン
設置場所 / 木崎湖畔の空き店舗
湖のほとりに静かに佇む、かつてのドライブイン。一昔前、木崎湖の夏は湖水浴に訪れる観光客で賑わい、色とりどりのヨットが湖に浮かび、風を受けていたという。土産物屋兼食堂だった店内には、お土産や看板、カラオケシステムや大きな白熊の置物が雑然と取り残されていた。その場にねむる「おもいで」を舞台に「絵を描く」という作家の行動(ドライブ)が、長い間止まっていた空間を未知の方向へ動かし始める。

1987年東京生まれ / 大町市在住。絵描き。目の前のこと、今この瞬間を更新することに焦点をしぼり、描くこと、物を拾うこと、並べることを通して、場を変容させていく。「信濃の国 原始感覚美術祭」(2012年~)ほか。
25 淺井真至[日本]
Google Map26 木村崇人[日本]
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水をあそぶ「光の劇場」
設置場所 / 木崎湖畔の空き家
大町市をかたち作ってきた「水」をテーマに、水がもつ豊かな表情や水のある環境、自然と人がどうつながり関わっていくかのきっかけをつくる。
木崎湖のほとりの空家を舞台に、2階には透き通る湖面の表情をゆっくりと鑑賞する「観るあそび場」、1階では水と遊ぶアイデアを形にする工房兼コミュニティスペースを設け、水と人をつなぐ場を作り出す。アーティストと一緒に考えながら、“観る、触る、聴く、香る、食す”といった五感で楽しむ「あそび場」は木崎湖と人、人と地球をつないでいく。

1971年愛知生まれ / 長野県小川村を拠点に活動。「地球と遊ぶ」をテーマに、自然現象を世界の共通言語として捉え、国内外で作品制作やワークショップを行う。代表作に「木もれ陽プロジェクト」「カモメの駐車場」「森ラジオステーション ✕ 森遊会」など。
26 木村崇人[日本]
Google Map27 マーリア・ヴィルッカラ[フィンランド]
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何が起こって 何が起こるか
設置場所 / 中綱湖畔の空き家
作品の舞台となる中綱湖は、地震で湖に流された寺院の鐘の音が今も聞こえてくるという古い伝説をもち、またその湖畔は海と山とつなぐ、江戸時代に海陸の物質を運ぶのに使われた「塩の道」が通る。作家はこの伝説と中綱湖の自然、歴史に触発され、水と塩をテーマとした2つのコテージの作品を中心に、湖に浮かぶ舟や湖畔のベンチ、石仏、鐘の音など、湖畔を散策しながら過去と未来を交差させる作品を展開する。
「近所を散歩し、塩の道を歩き、2つの家に入り、共に想う - 古い伝説を。 過去があり、未来がある。もし私のルーツがここにあるとしたら?この場所で世界を感じ、何が起こって 何が起こるか」

1954年フィンランド生まれ / 在住。詩的な情緒を併せ持つ作品で知られ、自然と人間の関係性における考え方など、人々の暮らしの中で息づいてきた記憶や伝説を受け入れる作法を制作の基盤としている。
Photo by HAM27 マーリア・ヴィルッカラ[フィンランド]
Google Map28 杉原信幸[日本]
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アルプスの玻璃の箱舟
設置場所 / 青木湖畔
青木湖は明治以前国宝仁科神明宮の神の湖であり、祭祀用や松本の殿様に献上される魚はすべて青木湖のものであった。なぜ神聖な湖であったのか不思議だったという作家は、冬期に水力発電のため水位が最大20m下がる青木湖で、雪解けの春にだけ水晶がとれることを知った。春先に現れる水晶を用い、北アルプスの雪の白さに見立て、水晶と石を台湾で学んだ「三合土」(黒糖、餅米、石灰と砂を混ぜあわせた伝統的な建築材料)でつなぎ、北アルプス山脈の形をつくる。湖面に映る山並みは舟の形となり、湖の漁師たちの記憶と北アルプス山麓の豊かな空間自体が一つの箱舟であることを表現する。

1980年長野生まれ / 大町市在住。2010年より木崎湖畔を中心に「信濃の国 原始感覚美術祭」を開催。旅で出会う土地と人々と文化への驚きから生まれる表現によって、人と自然の境界をひらく活動を行う。