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<国際芸術祭レポート>霊松寺に響く黄昏時のフリージャズ‖山下洋輔スペシャルカルテット

私はいつもここの荘厳すぎる雰囲気に圧倒されてしまうのです。
県内最古の曹洞宗寺院で、松川村観勝院より移築された大きな山門/200坪の庫裏(くり/お坊さんが暮らした宿舎)/焼き板で描かれた龍が天井から見下ろす本堂など、山間に建立された巨大で存在感漂う寺院「霊松寺」。

今回は、この霊松寺の境内で開催された 山下洋輔スペシャルカルテット のライブ演奏の様子をレポートいたします。

-6月17日
こんにちは。
北アルプス国際芸術祭レポーターのたつみです。

日本ジャズ界の中でも「フリージャズ」の先駆者的存在の山下氏のライブ演奏が、私の大町のお気に入りスポット霊松寺で開催される!!ということで、意気揚々と取材に向かいました。

感想から先に申しますと、もうそれはそれは「最高!!」でした。
荘厳な空間を包むピアノの音色。
力強くも美しく、音は空間を振動させながら、鼓膜よりも先に心の奥底を震わせるのです。
演奏が終わってからしばらくは言葉を失ってしまう程に圧倒されました。

これは「感動」という表現が適しているのかもしれません。

できるだけこの瞬間の空間と空気とそれらを内包した感情なんかを、どうにかレポートを通してお伝えしたい!なんて意気込みでできる限りシャッターを切りました。

ですが、私の力ではこの瞬間を表現してお伝えすることはできない。

そんなことを考えてしまう程に、この瞬間は、私自身の琴線に触れたのです。
音色も、空間も、歓声も。
全てを含んで「作品」であったのだと思います。

そんな「作品」であった時間の刹那的な瞬間を、一つ一つ語ることはなんだか愚かな気がしてしまいます。
ですので、今回はいつもより多くの写真と、いつもより少ない言葉で、この作品についてをお伝えしたいと思います。


夕暮れの西日がかかる頃に演奏会が始まる。/山門の前にステージが組まれ、本堂までの境内には350名程の観客が集まりました。



徐々に日は陰り、あたりは黄昏時に。山下氏のソロピアノからステージは始まりました。


ソロからトリオ(3人編成)へ。ソロでは穏やかだったピアノが、徐々に力強くなっていきます。




黄昏時から辺りが闇に落ちる頃、サックス奏者の菊地成孔氏が混じりカルテッド(4人編成)に。


演奏者:山下洋輔 Yosuke Yamashita(piano)/水谷浩章   Hiroaki Mizutani (bass)/高橋信之介 / Shinnosuke TAKAHASHI (drums)/菊地成孔/Naruyoshi Kikuchi(tenor sax) 各演奏者プロフィールについては>>こちら

 




4名から奏でられる音は、ぶつかり合いそれでいて調和して混ざり合い、グルーブは熱を持ってその空間にいた全ての人々を興奮させました。

7曲とアンコールの計8曲が熱演され、大歓声の中ステージは幕を閉じました。
山下氏のピアノを腕で叩きつける独自の演奏法はとても力強いものでした。
圧巻のステージ。

夕暮れ〜黄昏時〜宵
時間の流れを感じながら五感で体現した作品は、この芸術祭の中でも感情とともに記憶に残るものの一つとなりました。

霊松寺では大町市在住作家 高橋貞夫 氏の作品「伽藍ヘの廻廊」/本堂見学もお愉しみいただけますので、是非足をお運びいただければと思います。

記事と写真
たつみかずき